免疫細胞療法の種類と違い
 
■ 免疫細胞療法の種類と違い
 
三大療法(外科手術、放射線、化学療法)は、がん細胞だけをたたくのではなく、正常組織も傷つけます。特に、放射線や化学療法は、がん細胞と正常細胞を区別せず増殖している細胞を無差別に攻撃します。
免疫細胞療法の特徴は、「がん細胞だけを攻撃し、正常細胞は攻撃しない」ということです。その中でも、どんながん細胞でも攻撃するのは、ナチュラルキラー(NK)細胞だけです。また、人体から直接採取、培養され、活性化されたNK細胞の集団は、現状全ての癌を攻撃し正常細胞は傷つけない唯一の存在と考えられています。
 
■ NK細胞療法を標傍する培養方途の比較
 
ANK細胞療法を除けば、「NK細胞を培養している」とする各種免疫細胞療法は、基本的に同じものです。ANK細胞療法とその他のNK細胞療法と比較してみます。
 
  NK細胞療法と言われている
活性化NK療法
活性化自己リンパ球療法等※1
ANK療法※2
NK活性 がん患者より低下 健常人の10倍以上
採取量 静脈血20mL程度 リンパ球200mL
(5000〜10000mlの全血から)
NK細胞増殖率 10倍程度
(T細胞が1000倍増殖)
健常人は1000倍
(がん患者は数百倍)
培養期間 2週間培養 3週間培養
培養細胞の品質 コントロールしていない
(ただ静置するだけ)
コントロールしている
(24時間モニターする)
免疫刺激 なし
(発熱なし)
あり
(40度近い発熱)
治療効果 QOL改善 ガン細胞を消失させる
 
※1 活性化NK療法、活性化自己リンパ球療法は、静脈血を20ml(30〜40mlの場合もあります)程度採血し、リンパ球を分離後、低濃度IL2を含む一般的な培地を用いて2週間程度血液バッグの中に細胞を静置するというものです。
 
※2 ANK療法は培地環境が最適になるように頻繁に培養液を全交換し、所定の細胞数になるまで増殖させるというものです。
 
各々の培養細胞個々の攻撃力、一定時間の間に傷害できるがん細胞の数、つまりがん細胞を攻撃するスピードについて、実験値をグラフ化すると以下のようになります。(ANK療法を100としています)
 
細胞を攻撃するスピードについての実験値
※3
 
※3 米国で1984年の大規模臨床試験で有効性を証明されたが、現在使用されていない。。
 
このようにANK細胞療法はNK細胞の増殖倍率が高く、細胞個々の攻撃力が高いことが分かっています。
さらに、患者さんから採取したNK細胞数と培養後のNK細胞数、そして培養後のNK細胞数にそれぞれの細胞が持つ攻撃力をかけた図を下にまとめました。
ANK細胞療法が他のNK細胞療法と比べ圧倒的な攻撃力を持つことがわかります。
 
NK細胞数
 
よってANK細胞療法では培養細胞を体内に戻す際、他の免疫細胞療法ではみられない激しい悪寒と発熱を伴います。
ANK細胞療法では、培養細胞を12回に分け、間を空けて点滴で戻すことで、少しずつ体を慣らしていきます。体内の免疫力が回復するにつれて、発熱は穏やかになっていきます。
逆に、他のNK細胞療法では発熱などの副作用がほとんど出ないことがこの図よりわかります。
 
発熱は、大量のNK細胞を体内に投与することによりサイトカインが産生されて発現するので、少量のNK細胞では発熱しません。
 
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