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 ●いじめと不登校


「いじめ」は海外にもあります。日本でいじめられた生徒は海外でもいじめられることが多いのですが、逆に海外で立ち直ることもあります。

 海外に生活する子女、は本人の意思と無関係に海外生活を送ることになるので、日本の友人と別れることや、学校を替わることの不安などについて、渡航前に時間の許す限り両親と対話をおこなうことが大切です。その結果、子女が納得してから渡航するようにする努カが必要なのです。十分な対話をおこなわないと、後ろ髪を引かれるような気持ちがあるため、転入してうまく適応できない原因にもなるのです。
 日本医科大学神経科(文京区千駄木)では、海外子女教育振興財団の求めにより、ニューヨークで海外子女の教育問題を研究していた西松医師による専門外来を設置しています(予約が必要)。

 米国では不登枚という表現がありません。なぜなら、学校側が教育委員会と徹底協力して不登校児をなくすからです。病欠以外の理由で2週間以上不登校が続くと、スクールカウンセラーが自宅を訪問して両親に面会を求めます。そして、学校側はあらゆる努力を払い生徒を登校させるようしむけるのです。両親は学校側に全面協力しなければなりません。もし、学校側からの呼び出しに両親が応じないと、警察が介人してくるから厄介なことになります。最悪の場合強制送還も覚悟しなければならないのです。

 日本と異なり、欧米では父親が積極的にPTAに参加しなければなりません。父親の姿が見えないと、夫婦仲が悪いと誤解されることもあります。ただし、日本のように学校にジャージ姿では行かないこと。スーツを着て行かないと、子供がいじめの対象になることもあるので要注意です。
(平成12年10月海外子女教育振興財団主催ニューヨークの日本人スクールカウンセラーの講演引用)

 帰国時のいじめにも注意が必要です。海外子女は目立つため、いじめの対象になりやすいのです。帰国子女が英語ができるのは当然ですが、教師から教科書通りの答えをしなかったと言う理由で5段階評価の2を付けられ、それがために不登校になった例もあります。また、いじめが原因で教育委員会に転校を願い出ても「外傷がない」との理由で拒絶され、結局米国留学中の父親の元に戻ったという例もあります。帰国してどの学校に転入するか慎重に決めたほうが良いでしょう。日本の教育委員会は米国とは異なることを理解すべきです。

(日本医科大学神経科 西松医師談)



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